羅生門効果という用語をご存知でしょうか。「1つの事象について、各人の視点から説明すると、矛盾が生じる現象のこと」だそうです。マジックにおける羅生門効果や、この効果を取り入れたマジックについて見ていきましょう。
羅生門効果とは
羅生門効果(ラショーモン・エフェクト、Rashomon Effect)とは「ひとつの出来事において、人々がそれぞれに見解を主張すると矛盾してしまう現象のこと」1だとされています。1つの事象でも、視点が異なると、違って見えるわけですね。この点でデュアルリアリティと似たような概念であるともいえそうです。
羅生門の原理
羅生門効果は、マジックの文脈において「ラショーモン・プリンシプル」などと呼ばれるそうです2。羅生門効果を取り入れたマジックはいくつか存在しています。私の知っているトリックとしては、確か、メンタルマジック事典(松田道弘, 1997)に記載されたトリック3 4があります。
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現象は次の通りです。
- 2人の観客にカードを1枚ずつ覚えてもらう。
- デックを半分にわけ、それぞれを観客にシャッフルしてもらう。
- それぞれのパケットのトップからカードを1枚ずつ配っていく。
- 2人の観客のカードが同時に出現する。
文章だけで見ると、観客のシャッフルが入るので、かなり不可能性が高く見えます。しかし、羅生門の原理を用いると、このような現象が可能となるのです。
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