マジックをされている方の中には、「マジックが出来るんですよ」などと言うと、「じゃあ何かやってみて」と言われた経験がある方もいらっしゃると思います。プロの方なら、急にお願いされた場合に対応できるように、トランプの1つくらいは常備しているでしょうが、その場で持ち合わせていないこともあると思います。こういう突然マジックを依頼されたときに私がよく使うネタをいくつかピックアップしたので、良かったら参考にして下さい。
とっさのときに使えるマジック
小物のバニッシュ
最も多く使うパターンがこれです。特に長いショーが見たいというわけでもないでしょうし、手のひらサイズに収まるような小物(コイン、名刺、ペンなど)をバニッシュして、適当にポケットなどから取り出して見せれば、「すごいね!」みたいな反応を得られて終わることが多いです。もっと見たいと仰る方には、改めてお見せするようにしています。
方法はお好きなもので構いません。フレンチドロップでも、トスでも、スリービングでも、バックパームでも、使いやすいものをどうぞ。
簡単な空中浮遊
靴を履いている場合、簡単な空中浮遊を見せることもあります。後ろから見て、両足が地面から浮くタイプの空中浮遊です。角度には余り強くないですが、意外と驚いてくれます。
やり方としては、両足を揃えて立ち、左足のつま先で背伸びをして、左足のかかとと右足全体を地面から浮かせます。これを右後ろから見ることで、接地している左足のつま先は体に隠れるため、あたかも全身が浮いているように見えます。
心に思った数字を当てる
「1から4の間の数字で、お好きな数字を1つ思い浮かべて下さい。」と言って、心に思った数字を当てます。大抵は3を思い浮かべるので、おもむろに「3」と答えれば当たります。もちろん、普通は失敗した場合のアウトを複数用意して行います。
ちなみに原理というほどのものではないのですが、3という数字が選ばれやすいため、このような現象が成立します。また、「1から4の間」という言い方は、さりげなく2か3に選択肢を限定することが可能です。余り考え込ませず、すぐに言ってもらう方がうまくいくことが多いです。
手が消えるマジック
手をかざすと、もう片方の手が消える、というマジックもあります。左手のひらを下に向け、右手を左手の指先から手首の方向へ動かしていきます。それと同時に、左手の指を段階的に曲げていくと、手が消えていくように見えます。
親指が取れるマジック
若干、子供だまし的な雰囲気は出てしまいますが、本当に何も使えるものがない場合、親指が取れたように見えるマジックなんかも使えます。
終わりに
最善の方法は、やはり普段からマジックを仕込んでおくことでしょう。一方で、普段の生活において、トランプを持ち歩く人間などマジシャンくらいしかいないでしょうから、いきなりマジックを演じて欲しいと頼まれて、トランプを取り出すと、それはそれで準備していた感じが出てしまいます。こういう、その場の物で切り抜けられるようなタイプのマジックは、いくつか覚えておくと、いざというときに役立つと思います。